「消費する」ということ

5月 23, 2016

「断捨離」「ミニマリスト」といった言葉が流行し、物を持たない生活やシンプルな生き方が注目を集めています。それは、資本主義社会における過剰な経済活動への反動とも言える現象でしょう。

とはいえ、私たちは何も持たずには生きていけません。机や椅子、洗濯機や冷蔵庫の生活必需品だけでなく、テレビやPCにスマートフォン、食器や衣服なども最低限度はなければ困るものです。この「なければ困る」という考え方を見直し、自分にとって本当に必要な物が何かを見極めて、それ以外は持たないというのが、断捨離の精神です。

人間の欲望にはきりがありませんから、物質主義に偏るのは、言うまでもなく危険なことです。しかしそれ以上に気をつけねばならないのは、時に私たちは捨てることを前提に、あるいはそう自分に言い訳をしながら、不要な物を買ってしまうことではないでしょうか。100円ショップやインターネットでの買い物がそのいい例です。前者は価格破壊でお得感を演出し、後者は架空世界での楽しさや気軽さを利用しただけなのに。コンビニエンスストアなどでは、商品の配置や導線に実に巧みにその罠が仕掛けられています。

一方、リサイクルや他人との共有(シェア)で物を減らしているという人もいるでしょう。たしかに無駄を省くことにはなるものの、そこには、自己判断や責任の回避という別の落とし穴が待ち受けているのです。

自分の目で選ぶこと。それを大切に扱うこと。汚れたり傷んだりしたら、手を入れて直すこと。そして最後まで使い切ること。この一連の行為を楽しむことこそが、物とつき合う意味であるように思えてなりません。

世の中では、ますます消費のスピードが速まっています。物はおろか、時間や情報もどんどん使い捨てられ、価値感やアイデアといった、本来消費の対象になるべきでないものまでが、作為的に生み出されては短時間で消え去っていく。この流れをどうにか止められないだろうか。ゆっくりと変化する光や風を感じながら、そう憂う毎日です。

 

 




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